はじめに
この連載は、さまざまな映画作品を題材にして、経済について基礎の基礎から考えなおしてみようという企画です。
映画を題材にするのには、二つの狙いがあります。
一つには、経済について、ありきたりの見方から一歩離れて、より基本的な問題意識に立ち返って考えなおしてみようということです。
映画に限らず、芝居や小説、テレビドラマなどのフィクション作品は、それが作られた時代の人々の考え方や問題意識を色濃く映し出します。それも、経済や政治の専門家ではなく、普通の人々の考え方です。
映画を通じて、いろいろな時代の人々の視点から考えてみることは、現代の経済、さらには時代を超えた経済の本質を理解するうえでも、大いに役に立つことと思います。
二つ目は、あまり経済のことに詳しくない方にも、楽しみながら議論に参加していただこうということです。
経済の話というと、なにやら難しいものと思われがちです。
確かに、現代の経済は、その全体像を理解するには複雑になり過ぎたのかもしれません。
ですが、私たち誰もが経済の動きに生活を左右される現代では、「難しい」とか「分からない」といって避けてばかりもいられません。
そこで、映画を題材に、というわけです。映画のストーリーや情景を取っ掛かりにすれば、難しい理論から入っていくよりも、ずっとストレートに、経済の本質を感じ取れることと思います。それに映画であれば、ビデオやDVDで手軽に、そして楽しく観ることができるでしょう。
この連載で取り上げる映画は、経済を理解するためのヒントを与えてくれる作品であることはもちろんですが、それに加えて、純粋に映画としても楽しめる作品に限ろうと思っています。それぞれの作品の内容については、簡単に紹介していきますが、もしご覧になっていない作品であれば、是非一度ご覧になってみてください。
まずは純粋に映画として楽しんでいただいたうえで、この連載での議論に参加していただくことをお勧めします。
4月3日にアップ予定の第一回では、チャップリンの『モダン・タイムス』を取上げます。
主人公チャーリーが受け入れられなかった時代の流れとは何だったのか。その流れは現代にどうつながっているのか。そういったポイントを中心に、考えてみたいと思います。
